数理で全部を割り切れるほど、闘争とは浅くない。 生きて、物を考える、心を有(も)った人間同士が競い合うのだ。番狂わせでも何でも起きる。強さは一定不変ではなく、常にうつろう(・・・・)ものだから。年がら年中、カタログスペック通りに動く機械のようにはいかないし、いかないからこそ面白い。百の力の持ち主が、状況次第で五十になったり二百になったりする点にこそ、真骨頂は宿るのだ。 「強いものが勝つのではない、勝ったものが強いのだ」とは、そのあたりの要諦によく通じたるものである。 通常、上の金言は、西ドイツのサッカー選手、フランツ・ベッケンバウアーが1974年に発したものと看做される。 (Wikipedia…