素粒子の種類の一。反物質の材料。
基本的には粒子(正粒子)と同じ性質(質量、スピン等)を持つが、反対の電荷(一部例外有り)を持っている*1。
根本的にはクォークにも反粒子であるクォークが存在していて、中間子はクォークと反クォークがくっついた状態であり、反陽子や反中性子は反クォークでできていると考えられている。
話は1928年にディラックが相対論的量子力学を作ったときにさかのぼる。
ディラックは、シュレディンガーの波動方程式を書き直して特殊相対性理論に適応させた方程式*2を作った。
が、これを解いてみると、「負のエネルギー」を持つ電子が存在しえるように見えた。実際に電子がエネルギーを失って負のエネルギー状態になっているようには見えないので、いかにも不自然である。
ディラックはこの問題を解決するために、真空とは負のエネルギーの電子で満たされた状態(ディラックの海)であるとした*3。そしてその「負のエネルギーの電子」がエネルギーを与えられて正のエネルギー状態に移ると正電荷を持つ空孔が生まれ、「陽電子」として観測できると予想したのである。
この考えは1932年に陽電子が発見されて実証された。さらに1955年に反陽子が、1956年には反中性子が発見された。
ところで、「ディラックの海」では、フェルミオンの反粒子は説明できるが、ボソンに反粒子があることは説明できない。今日的には負のエネルギーを示しているように見える解は、時間を逆行する粒子であると解釈される。
大雑把に言うと裏の裏は表であり、「マイナスのエネルギーを持った電子が時間を逆行する」の代わりに「プラスのエネルギーを持った陽電子が時間を進む」に置き換えられている。
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