地下鉄から岩波ホールへと登ってゆく崖。私にとっては、神保町への龍門である。 前回は疫病禍以前だったから、じつに久しぶりの神保町だ。しかも古本屋研究会の若者たちと歩く。古い知見に今なお役立つものがあれば、お伝えしたい。が、街はかなりの変化をとげたとの噂を耳にしてもいる。 集合場所の交差点脇にて、古書店マップと分野別全店一覧表が表裏に印刷された、業界フリーペイパーをお配りする。前日に古書往来座さんからご提供いただいていた。 老人による言わずもがなのひとくさり。北は水道橋・東京ドーム、南は小学館・集英社を抜け毎日新聞社・日本近代美術館を左右に観て皇居に突当る。東は駿河台下から、折れれば明治大学・お茶…