「シクラメン現象」というのは私の造語で、「ベテランの歌手・アーティストに時々みられる、技巧的でクセの強い歌い方」のことです。 この言葉は、布施明さんが「シクラメンのかほり」(1970年代のヒット曲)を歌うのを、ふた昔前にテレビでみていたときに思いついたもの。 当時すでに円熟期を迎えていた布施さんは、若い頃のヒット曲を、技巧をこらして歌っていました。 若い頃は「まーわーたーいーろーしーたー」とプレーンに歌っていたところを「まわたーーー、いろしたーーー」みたいな凝ったメリハリをつけていたのです。 たしかに上手で、布施さんはすばらしい歌手です。しかし私は「この歌は、若い頃のようなプレーンな感じが好き…