精神の調子が悪いと相手の些細なひとことで激昂してしまう。「何を言うか」と「何を言わないか」を基準にして目の前の人間をジャッジするわたしは、なんてことない発言から相手の浅薄さを感じ取り、そんなことをわたしに向かって言ってしまえる、つまりこれはわたし自身に対する軽視であると一切の迷いなく決定する。全部自分の認知の歪みなのにね。相手がどんな気持ちで何を言おうがわたしはわたしのままなのに、どうしても確信が持てなくなる。自他境界が曖昧になっている。大丈夫、ちゃんとわかる、でも上手く切り替えられない。お願いだから今言ったことを撤回してほしいと文字通り泣き喚くわたしを見て、君は本当に生きにくそうだと彼は言う…