初めての一人暮らしは、京都市右京区の、大学から歩いて10分程の距離にある、古い木造アパートだった 面倒見の良い年配の大家さんが所有していて、家賃は破格ながらもクーラーが付いているのが何とも有難かった(京都の夏は本当に蒸し暑い) そのアパートには、四畳半~六畳の部屋が、全部で10部屋くらいあった 隣の部屋には三重出身の、困るくらいにお節介で優しい先輩が住んでいて 同じ階には、静岡から来た物静かな先輩(週末の朝のお祈りの時間だけは物静かではなかった) そして不在が多くて、結局一度も顔を合わせることが無かった社会人 ひとつ上の階には、赤穂市からやって来た、おとなしいけれど外交的な同学年生などが住んで…