路傍の花シリーズ「ムスカリ」。 時折山に登る。最近は専ら低い山をリーダー達に宛がい扶持に用意してもらい、唯金魚の糞の様について行く。何度か頂きを見上げてはまだまだかと内心落胆するが、大抵はただただ俯いて枯葉や瓦礫や土砂や泥濘の足元を見ながら歩く。 だが、山が(は)高いことを知るために、山に登る必要はない。(You don’t need to climb a mountain to know that it’s high.)ブラジルの小説家パウロ・コエーリョの名言だ。 そこにはぽつりぽつりと名も知れぬ草花が咲いていて、いい歳をした穢れ切ったおっさんの心を洗うのである。 同じように、人は人生の道程…