4.『春と修羅』の表紙にある「アザミ」の紋様は何を意味しているのか 詩「小岩井農場」は大正1922年5月21日の日付が付いているが,パート九の本稿(試論1)での引用部部分がその日に創作されたとは限らない。賢治研究家の杉浦静(1976,1998)によれば,詩「小岩井農場」(パート九)の本稿(試論1)での引用箇所は,「詩集編纂過程の最終段階,つまり「序」(1924.1.20)の日付からそう遠くない時期に・・・詩集全体の構想にからんで,改めて差し替えられたものである」とした。賢治が原稿を出版社に持ち込んだのは大正13年(1924)1月と言われている。つまり,賢治が「みんなの幸い」を最優先して生きてい…