阪急電鉄の創始者、小林一三は民鉄経営のプロトタイプを作り上げた経営者としてあまりにも有名です。小林の独自性は、輸送需要に応じて鉄道を整備するにとどまらず、自ら輸送需要を創出することと、鉄道の有する外部経済を自社グループに還元することといえましょう。そのため、沿線の不動産開発、ターミナルへの百貨店立地、遊園地整備や大学誘致、プロ野球経営と球場整備等を行いました。大正3年に誕生した宝塚歌劇も輸送需要創出施策のひとつと捉えられます。たしかに、初代の大劇場は定員3,500人で現劇場より1千人多く、宝塚線の電車が単行か2両で運転していた当時にあっては、鉄道需要に与える影響は現在よりはるかに大きかったでし…