静岡出身の画家、デザイナー、装幀家。旧名:天野嘉孝。
ほか装幀家として、夢枕獏や菊地秀行らの小説の表紙、挿絵などを手懸ける。
アニメ界では、押井守監督『天使のたまご』に参加。
1990年代より活動の幅を拡げる。舞台美術や個展、画集の発売し、
さらにフランス、アメリカをはじめ海外でも作品を発表。
無国籍なアールヌーボー風とも見える衣装を身にまとい、ファンタジックワールドにたたず む少年達。研ぎ澄まされた内面にたぎる暗く深い未知の部分と強い意志を感じさせる、妖しく輝く眼。天野作品の両性具有的な美少年達の持つ独特の世紀末的な魅力は、その眼に凝縮されてい るといっても過言ではないかも知れません。
天野は自らの作品についてこう語ります。「絵を描くという子は頭の中のイメージを映像化し、なんら かの形でこの次元に具現化することであって、この具現化の過程で自分自身でさえ意識していな かったものが見えてくるのです」「装幀の仕事を通して出逢った様々な作品世界、夢枕獏さん、菊地秀行さん、栗本薫さん、田中芳樹さんなどの作品は僕にとっても大きな刺激でした。作家の持つ イメージの世界を表現しながら、自分の個性も固まっていく。満足のいく自分だけの世界が創れていくという気がしました」
追随を許さない独創の幻想空間をキャンバスに現出させる”天野ワールド”。繊細なタッチと緻密な構成で、観る者の内面に圧倒的な力で迫り、心を捉えて離しません。