TOKYO、夏の夜空。 国立競技場で、田中希実が歴史的な4分を駆けた。 1500メートルで日本女子初出場、日本記録更新で準決勝進出、そして再び日本記録更新での決勝進出。 歴史を作った21歳は、手を振りながらアナウンスと同時にトラックに入る。 一瞬の静寂の中、臆することなく飛び出し、先頭集団に入りこむ。 外国人選手に比べ、一際小柄な田中は、強気なレースで最後の最後まで世界と真っ向勝負を繰り広げた。 中盤で5番手あたり、好位置をキープした。「こんな走りしたことないから、すごいすごいと思っていた。」と大きな手応えを自身でも感じていた。 最後は、世界のトップを追い切れず差が開いてしまった。 「ラストが…