元禄5年11月10日。都筑半助が清水で切られる。筑半助は妻を亡くした後、身の回りの世話をしてもらうため女を通わせており、その後この女を妻としていた。この女には幼い女の子がおり、その後大きくなって奉公させていた。1日、この娘は筑後守中間と夫婦の契りを結んだ。半助は獣のような人間で時々この娘と関係を持っていた。近頃、半助は犬山よりやって来た。清水観音堂の裏屋にはかつて召し仕えていた新八という者が住んでいた。そこへ半助は黄昏時にやって来た。しかし、新八は外出中で婆ひとりがいるだけだった。そこで半助は人を遣わして御役者中地喜右衛門のところに奉公に出ていた継娘を呼びに行かせた。ある者が半助と娘の関係を知…