奥州の古代史を概観すると下図の通りとなる。安倍氏、清原氏、藤原氏が朝廷と鎌倉幕府に滅ぼされた。高橋克彦の奥州三部作を読めばその哀感漂う滅びの歴史ドラマが切々と胸に迫って来る。お薦めである。 さて、柴田郡柴田氏の遥か筑前国への移住の理由を探らねばならない。あらためて前九年の役の始末を探ってみた。この時点の安倍氏関係者の関係図は下記の通りである。 朝廷方の大将は源頼義、嫡男八幡太郎義家も参戦している。安倍氏嫡流”貞任”一統は戦死あるいは処刑されたが次の嫡流格”宗任”一統は投降している。頼義を加勢した出羽国の清原氏は投降した宗任一統を保護していたが、頼義はこれを拉致し京都に送っている。清原氏は縁戚で…