平凡で、何のとりえもない、どこにでもいるような私。 特技や、才能なんて言えるものもなく、目の前にある、平凡な生活が、ただ過ぎていく毎日。 結婚し、子供も生まれ、慌ただしく過ぎる毎日に、それは起きた。 子供に、「肝芽腫」という小児がんが、見つかったのである。 ある日、自分の子供への突然の告知に、頭の中は真っ白で、パニック状態。 知らない名前の病気の説明を、医師は淡々としていくけれど、全く頭に入って来ない。 いつもの「風邪症候群かな。お薬、出しますね。」ではなく、 「お子さんの肝臓に腫瘍があります。」という言葉は、私の辞書にはない。 病気の告知を受ける側にとっては、自分の立ち位置によって、大きく変…