―その699― ●歌は、「真木の葉のしなふ背の山しのはずて我が越え行けば木の葉知りけむ」である。 紀伊風土記の丘万葉植物園(3)万葉歌碑(小田事) ●歌碑(プレート)は、和歌山市岩橋 紀伊風土記の丘万葉植物園(3)にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「小田事勢能山歌一首」<小田事(をだのつかふ)が背の山の歌一首>である。 ◆真木葉乃 之奈布勢能山 之努波受而 吾超去者 木葉知家武 (小田事 巻二 二九一) ≪書き下し≫真木(まき)の葉(は)のしなふ背(せ)の山しのはずて我(わ)が越え行けば木(こ)の葉知りけむ (訳)杉や檜(ひのき)の枝ぶりよく茂りたわむ背の山であるのに、ゆっくり賞(め)でる…