「これだから頭のいい奴は面倒だ」彼女が消えた、背の高さほどの防波堤を躊躇なく降りたらしい。下を覗く、膝を曲げた彼女が姿勢を戻す。 彼女の車が颯爽と海岸沿いを駆け抜け、遠ざかっていく。自転車を漕ぐ、歩くよりも目的地につける移動手段、風をより感じる速度。漕ぐ、ハンドルで方向を定め、前後のバランス、そしてブレーキ。視点は若干先を見つめていなくてはならないのか。 いつもよりも速度が速くてもいけない、それが続けば当たり前になり、歩くことを億劫に感じるからだ。使用頻度に制約を加える、使いたいときを限定し、時を選ぶのだ。通常は歩行が優先、リセットしなくては。 工場と林と空き地とコンビニ。疲れた。自転車を降り…