瓶いっぱいに集まった樹液を抱え、いきものは満足そうに耳を揺らしました。 琥珀色の液体が、昼時間の光を受けて、とろりと揺れています。 「これなら、しばらくは大丈夫そうだ」 「じゃあ、帰ろうか」 そう言いながら、街のほうへ歩き出しました。 わたしもあとを追いかけます。 帰り道の街は、朝よりも少し賑やかになっていました。 高い場所の橋を渡るいきもの。 階段の途中で荷物を運んでいるいきもの。 窓辺で、枝を編んだ灯りを磨いているいきもの。 昼時間の光は、巨大な木の内側を、やわらかい金色で満たしています。 しばらく歩いていると、道の途中から、甘い匂いが流れてきました。 焼いた木の実みたいな、あたたかい樹液…