・千葉雅也. 勉強の哲学—来たるべきバカのために 増補版. 文藝春秋, 2020, 256p., (文春文庫ち/9/1). books.bunshun.jp 再読。文庫化にあたり補章が追加されたことで、この本に書かれている<勉強>という言葉にこめられた意味が更に深まっている。本論で語られているのは、勉強とは環境のノリからいったん抜け出し、言語を言語そのものとして扱い、比較を続け、環境や自分自身を外側から眺め、自分自身の自己目的的なノリを獲得していく過程である、ということ。それだけだと、いわゆる学問の話であるが、補章では「仕事や趣味や教養をすべて同一平面上で考え」(p224)ることが薦められてい…