大河ドラマ『べらぼう』では、大名跡(みょうせき)「瀬川」を継いだ花魁「花の井」を、1400両もの大金(約1、4億円とも言われる)で身請けする鳥山検校が登場する。鳥山の職業は高利貸し。さて当時、江戸幕府は盲人への福祉事業も兼ねて、ある種の職業集団制度を設けていた。「検校」とはその中の最高官位で、その下に、別当、勾当、座頭が続く。彼らは、地歌などの平曲を作曲する(盲人による)音楽家集団としても有名だった。先日当ブログに上げた、箏曲『新娘道成寺』の作曲者は菊岡検校とも石川勾当とも言われているのだが、いずれにせよ盲官によるもの。吉原での鳥山検校登場シーンでは、有名な箏曲『六段の調べ』が流れ、箏を演奏す…