冬至だそうだ。空気が冷たくなってくると、とたんに出動機会が増える、道具たちがある。いわば冬将軍対応の前線機動部隊だ。 台所の王者といえば、そりゃあ包丁だ。参謀本部であって、作戦の基本方針はまずそこから動きだす。が、食材の切り分けや下拵えを了えてしまえば、あとは前線からの報告を待つだけの身分となる。 作戦発起後に動きだす前線機動部隊はじつに多様多彩であって、出動機会は季節により増減する。また総司令部(つまり私)の執着や飽き(つまりマイブーム)によっても増減する。猛暑の季節には予備役のごとくにのんびりしていたくせに、これからの季節に獅子奮迅の活躍をする道具は、中華鍋と相棒の玉杓子である。私とはかれ…