前回、”廃仏毀釈”により貴重な文化財が破壊されたことを書いた。今回は同じ明治政府による”城郭取壊令(廃城令)”を見る。 今やどの地域においても城の欠片でも残っていれば貴重な観光資源となり文化財となる。その建築遺構が現存でもしていればもう大変な騒ぎになる。何しろ徳川時代に一国一城令によりそれまで3,000近くあった城が破却され一気に200以下に減少してしまったのである。現存する天守は僅か12城しかない。それだけに城郭は人々を魅了して止まない。日本においては如何に素晴らしい大自然でも城郭遺構にだけは適わないのではないかとさえ思う。 下表に城郭の存亡史を整理した。一国一城令は確かに非情であった。多く…