緑豊かな山々に囲まれたカブトムシの村。 今年も夏の訪れとともに、 カブトムシたちの活気あふれる季節がやってきた。 村のはずれにある大きなクヌギの木の下には、 カブトムシたちの憩いの場となる広場がある。 力自慢のオスたちが自慢の角比べをしたり、 子どもたちは木の実を拾って遊んだり、 いつも賑やかな声が響き渡っていた。 そんなある日、広場にいつもとは違う 小さなカブトムシが現れた。 その名はミノ。 他のカブトムシたちよりも体が小さく、 ちょっぴり臆病な性格だった。 ミノは村の他のカブトムシたちと 一緒に遊ぶのが大好きだったが、 いつも大きな体で押しのけられてしまい、 なかなか輪に入れずにいた。 あ…