明くる年の七月、躬恒がもとにおくる あさとあけて ながめやすらむ たなばたの あかぬわかれの そらをこひつつ 朝戸あけて ながめやすらむ たなばたの あかぬ別れの 空を恋ひつつ 翌年の七月、躬恒のもとに贈った歌 織姫は朝の戸をあけて、ぼんやりと空を眺めてもの思いにふけっているのであろうか。名残惜しく分かれた彦星を恋い慕いながら。 810、811のやりとりの翌年の七夕にも、再び躬恒に歌を贈ったということですね。本歌に対しても返歌があったものと思いますが、貫之集には採録されていません。 また、この歌は後撰和歌集(巻第五「秋上」 第249番)、拾遺和歌集(巻第十七「雑秋」 第1084番)に入集してい…