元禄17年1月18日。城附兼松四郎左衛門のところへ用人衆がやって来て、すぐに江戸へ発つはずだが、願い出て江戸へは行かないようにと遠回しに言われた。四郎左衛門はどうしてかと聞くが言ったとおりだと言われる。では勤めも返上するべきかと問いかけると、用人衆はそれは必要ないと。まずは江戸へ願い出ろと言って帰って行った。この夜、酒井金太夫のところへかねてからの約束の通り行くはずであったが、急に病気だと言って行かなかった。金太夫は心配して弟に様子をうかがわせに行かせるが、日ごろから仲が良いのに会わなかった。このため金太夫は不思議に思った。昨夜、四郎左衛門は甚目寺を詣でていた。何事もなく帰ってきたが、急に今日…