【『東京幻夢』(2)】 志水「(『東京幻夢』〈1986〉では)ハイビジョンでということで私の顔に立体的なほくろをつけてみたり。それが映るだろうかと。
東京の片隅で昔ながらの写真館を営む男(堀内正美)。谷中や根岸をさまよい、古ぼけた洋館などを撮影する男の視界に謎の女(志水季里子)が現れて、男は翻弄される。
『ウルトラマン』(1966)や『ウルトラセブン』(1967)により知られる実相寺昭雄監督がかつて手がけた短編映画『東京幻夢』(1986)。
【撮影現場 (2)】
1980年代の日本映画を代表する人物のひとりとしてよく名が挙がるのが、故・相米慎二監督。『セーラー服と機関銃』(1981)、『魚影の群れ』(1983)、『台風クラブ』(1985)といった作品群において、長回しのつるべうちで独特でアナーキーな世界をつくりあげ、カリスマ的な人気を誇る。