念仏供養塔

東京都北区田端1丁目の与楽寺（訪問日：2025年3月7日）「六阿弥陀」扁額のある阿弥陀堂の前に一対の石灯籠が立っています。向かって左が庚申塔、右が念仏供養塔です。前者から掲載します。文字庚申塔（庚申灯籠、三面三猿塔）① 刻銘「寛文第九年己酉二月彼岸日(1669) / 山三郎(ほか交名5名略) / 庚申供養為菩提 / 〈バーンク種子〉」 灯籠型、彫像（日天月天星（火袋）） 三猿像念仏供養塔（念仏灯籠） 刻銘「寛文第九年酉彼岸日(1669) / 武州豊嶋郡田端村 / 阿弥陀念佛供養證燭一基 / 阿弥陀三尊種子〈キリーク・サ・サク〉」 灯籠型、彫像（日天月天星（火袋）） 続いては墓地の板碑型庚申塔。…

東京都狛江市岩戸北4丁目15-8の慶岸寺（訪問日：令和7年2月4日） 境内墓地入り口に旧墓地整理改築之碑と並んで2基の石仏が置かれています。そばにはこれらについての解説を付した看板が設けられています。 解説板 狛江市指定文化財（市郷土資料）寛文二年（一六六二）銘の石造供養塔 指定年月日 令和二年九月二十九日 慶岸寺の墓地入口に並ぶ二基の石造供養塔は、江戸時代前期の岩戸村（現在の狛江市岩戸北・岩戸南一帯）に、慶岸寺を拠り所として、民間信仰の集まりが結ばれていたことを伝えています。 両供養塔は、安山岩を用いて造られ、正面向かって左は地蔵菩薩立像を、右は聖観音立像を浮彫りしています。像の両脇には、銘…

東京都世田谷区瀬田1丁目の行善寺（訪問日：2022年7月24日） 行善寺は獅子山と号する浄土宗寺院です。 境内墓地へ通ずる道の脇には手前に六地蔵、後ろに民間信仰塔が安置されています。後者のうち右が庚申塔、左が念仏供養塔です。 地蔵菩薩像庚申塔 刻銘「旹寛文七丁未年十一月廿日(1667) / 武刕荏原郡瀬田村 / 奉造立庚申供養 / 種子〈カ〉」 御尊容（立像、舟形光背型） 地蔵菩薩像念仏供養塔 刻銘「于旹延宝四丙辰年十月十五日(1676) / 武刕荏原郡之内瀬田村 / 爲二世安樂念佛供養 / 梵字〈カ〉」 御尊容（立像、舟形光背型） おまけ境内の一角に自然石に「猫塚」と刻した石碑が建立されてい…

東京都世田谷区喜多見7丁目の小堂（訪問日：2025年1月5日）中道通りと筏道の交差する地点に堂が一宇建っています。若干ではありますが旧道の面影を今に残しています。中には庚申塔と地蔵菩薩塔が祀られています。ここは「神送り庚申塚」と呼ばれていて、古い文献や村絵図にも同じ名称で掲載が見られます。むしろこの名称を記した文献が世に出たことで地元の人がその呼び名に従ったのだそう。 いわゆる喜多見の七庚申の一つです。正月十五日にどんど焼きを行う八塞ノ神でもあります。「地蔵菩薩 青面金剛」扁額。喜多見まちづくりセンターで頒布されている『管内史跡案内(改訂版)』によれば、背面に「消除流行病為村中安全 永劫山二十…

山梨県上野原市大曽根の路傍（訪問日：2023年11月3日）小倉コミュニティ消防センター前に観音堂があり、その脇に民間信仰塔が並んでいます。順に掲載していきます。二十三夜塔 刻銘「文政二年□〜□春穀旦(1819) / 當村中 / 二十三夜」 自然石型 六十六部廻国供養塔 刻銘「文化七庚午初秋吉日(1810) / 奉納大乗妙典廻國」 自然石型 念仏供養塔 刻銘「文政十二歳□〜□(1829) / 當邨講中 / 念佛供養塔」 自然石型 馬頭観音塔 刻銘「明治五年三月日(1872) / 山口氏 / 馬頭大士」 自然石型 おまけ観音堂には「南無観音菩薩」と墨書された扁額が掛かっています。堂内の本尊。付近に…

青森県弘前市浜の町東1丁目の地蔵堂（訪問日：2023年9月19日）浜の町東の東端に位置する地蔵堂です。境内には新しい敷石が広がっています。堂の左手に並ぶのは民間信仰塔と飢饉供養塔です。手前のものから掲載します（百万遍塔を除く）。 元禄飢饉供養塔。こちらについてはまた次回詳しい記事を書きたいと思います。 六字名号塔（念仏供養塔）① 刻銘「文化七庚午年七月十六日(1810) / 町中 / 南無阿弥陀佛」※「庚午歳」の可能性あり。町中も「村中」の可能性あり。 自然石型 六字名号塔（念仏供養塔）② 刻銘「于時天明五年二月十五日(1785) / 西澤某(以下人名略) / 南无阿弥陀佛」 自然石型 天明飢…

富山県富山市東猪谷の宝樹寺（訪問日：2024年3月29日）猪谷山の山号を冠する浄土宗寺院です。寺伝によれば永正二年に真言宗から浄土宗に改宗されたらしく、それ以前よりこの地に堂を構えていたことが分かります。境内の六地蔵堂脇に人丈をゆうに越す非常に大きな石仏が置かれています。石仏の里と称されるだけあって、相当な腕の石工による精緻な意匠が施されています。念仏供養塔（阿弥陀如来坐像六字名号塔、徳本名号塔）刻銘「文化十四丑年三月吉日(1817) / 響誉代 / 南無阿弥陀佛」御尊容（坐像、自然石龕型）、その他像容・彫像（天蓋、円形光背、瑞雲、蓮華座） 金属製の聖観音像の脇にも石仏があります。二十三夜塔（…