野良猫「テンテン」の居場所 秋風がひんやりと肌に触れたある朝、私はいつもより早く目を覚ましました。 外はまだ薄暗く、静けさが漂っています。 普段のように寝ぼけ眼でスマホをチェックする代わりに、今日は少し足を伸ばして近所の有名な寺院までウォーキングに行こう思いました。 その寺院には観光客が絶えず訪れますが、早朝なら静かな空間が広がっています。 寺院のすぐ脇を流れる川沿いに、私は足を踏み入れました。 川の水音に包まれながら、ゆっくりと歩き、2キロほど先にある吊り橋へ向かいました。その橋を渡り、山沿いの道を下ろうと決めました。 道のりは長くなく、心地よい汗をかきながら足を進めました。 途中、ふと目に…