第4波が来る前ではいくらか遅すぎるかもしれぬものの、「感染症の日本史」(磯田道史・2020・文春新書)を読みました。前から書店で平積みされて存在は知っていたのですが「日本史をなぞってもなあ」と考えて手をのばさずにいて、しかしヒヤリハットとは云わぬものの失敗事例集と思えばよいか、と手をのばしました。磯田先生は日本史が専門ですから本書では古代から近現代に至るまでの感染症の歴史をかいつまんで触れられています。読んでからわかったことですが、本書の最大の効果はおそらく「前の車の転覆を知って、その失敗を避けること」(P6)を意図してると思われます。そのほかいくつもの興味深い記述があり、なかなか手をのばさな…