病気 病名 はしか。風疹(三日はしか)と区別するために「七日はしか」ということも。
麻疹ウイルスによる感染症。母親からの免疫がなくなり予防接種をするまでの1歳前後に患者が多い。
学校伝染病なので、解熱してから3日たつまで登校(登園)できない。
潜伏期間は10〜14日。
38℃以上の発熱や鼻水、せきなどの風邪症状からはじまり、その後結膜炎を起こす。発病して3〜4日で熱がいったん37℃台に下がりかける、口の中にコプリック斑があらわれる。いったん下がりかけた熱は半日から1日でまた上昇、このころから顔や首、胸のあたりに細かい赤い発疹が出る。全身に広がると、隣り合った発疹がくっついて、赤いまだらの肌になる。普通に経過すれば7日ごろに熱が下がり、発疹の赤みが失せて黒ずんでくる。
中耳炎や肺炎、脳炎などの合併症をおこしやすく、昔は「命定め」と呼ばれていた。現在も年間50人前後の死者を出す病気。
麻疹ワクチンは予防接種法による勧奨接種(公費負担)となっており、1歳になったらなるべく早く接種することが推奨される。
近年ワクチンの普及などの理由により流行が少なくなったため、ワクチン接種後に麻疹ウイルスにさらされる機会が少なくなりワクチンの効果が10年程度で期待できなくなるといわれている。この理由もあって2007年には10〜20代の若者の間で麻疹が全国的に流行した。
これをうけて2008年4月1日から5年間の期限付きで、麻疹と風疹の定期予防接種対象が、現在の第1期(1歳児)、第2期(小学校入学前年度の1年間にあたる児)に加え、第3期(中学1年生相当年齢)、第4期(高校3年生相当年齢)に拡大されている。
MRワクチンは、麻疹単独ワクチンと同様の効果が期待される。MRワクチンを接種しても健康への影響に問題はなく、風しんの予防にもつながるが、妊娠している女性は接種を受けられない。
特効薬はなく、風邪などと同じ対症療法になる。咳止めや解熱剤、抗生物質などを使いながら安静にして自然に治癒するのを待つ。