「磯田道史と日本史を語ろう」(文春新書)は、雑誌に掲載された12本の対話をまとめた1冊です。磯田さんと語り合うのは養老孟司さん、半藤一利さん、浅田次郎さん、阿川佐和子さんら。1対1の対談だけでなく、2、3人の専門家たちと語り合う対話もあります。 「信長はなぜ時代を変えられたか」「幕末最強の刺客を語る」など多彩なテーマで、磯田さんと専門家たちの異なる視点が行き来し、交錯します。一人の著者の脳内で完結する歴史本と違い、会話形式なので読みやすく、視点が外に開かれていて面白い。音楽ならソロではなく、セッションの魅力ですね。 磯田さんは1970年生まれの気鋭の歴史学者。長くNHKBSの「英雄たちの選択」…