柄谷行人『探究Ⅱ』(講談社学術文庫) 柄谷行人『探究Ⅱ』における「いじめ」論 石原千秋『教養としての現代文学』における指摘 柄谷行人『探究Ⅱ』のいじめ論としての読み換え 柄谷行人『探究Ⅱ』における「いじめ」論 柄谷行人と言えば、日本を代表する文芸評論家のち、思想家であるが、その著『探究Ⅱ』(講談社)には、いじめ論として読める部分がある。 これを指摘したのは、国文学者の石原千秋(早稲田大学大学院教授)である。 石原千秋『教養としての現代文学』における指摘 石原千秋は、『教養として読む現代文学』(朝日新聞出版、2013年)所収の第4章「『僕ら』とは誰か:大江健三郎『芽むしり仔撃ち』」において、『探…