この写真家の〔樺太/サハリン〕を観るのは、たぶん四度目ではないか。 「第31回林忠彦賞」「第47回木村伊兵衛賞」受賞。 一つの展覧会で全ての作品が並ぶわけではないので、足を運ぶ度に、おや、これは初めて見るかも、と感じたり(勿論、記憶違いもあるハズ)、幾度かでも共通の思いを持つ写真もあり。 日本と朝鮮とソ連の、国家の狭間で取り残された人々。いざの時に、国は国民を気に掛けない証左でもある。 そしてまた直近では、国家の横暴により、その場に赴くことすら叶わなくなっている。 戦後七十年を経て、その地に(その時点で)いまだに残る日本統治時代の痕跡が、なんともやるせない気分を増幅させる。 会期は~10月30…