マカオ、澳門、蓮城、濠江、「主の聖名の街」……。マカオは多くの名前を持つ町だ。ではその中で、一番古い名前は何かというと…「蠔鏡」というのがそれだ。蠔とは牡蠣のことで、名前の理由はもちろん、牡蠣がたくさん取れたから。中華料理に欠かせないオイスターソースの起源も広東にあり、有名な「李錦記」の創始者もマカオに拠点を置いていたことがある。マカオの成り立ちやアイデンティティに大きく関わる牡蠣に関係する地名はいくつかあるが、その1つが今回の「蠔里/Beco da Ostra」だ。蠔里は観光地で人通りの多い關前正街や、果物問屋が並ぶ大碼頭街の裏手にひっそりとある裏道のオアシス的な場所だ。ちょっとわかりにくい…