変り映えしないことが、それだけでめでたいという年齢はなん歳からだろうか。年齢には関係なく、暮しぶりにより心境により、ひとそれぞれなのだろうか。 いよいよ後期高齢者だが、日々の暮しに変り映えがないことを、情なく恥かしく思う気持が、いまだにある。そのくせ、同じようなことをグタグタ繰返す日記を書き続けて、平気でいる。たった今現在の自分は、厳密に申せば昨日の自分とは別の生物だとの考えが、どこかにあるからだ。色即是空である。 超高機能の顕微鏡で神経細胞の先端を覗くと、驚嘆のほかない猛烈な速度で運動しているそうだ。今朝起床した自分が、昨夜就寝前の自分と同じ生物であるとの確信が揺らぐそうだ。昨日と今日とに持…