北海道の、雪ばかりが目立つ地味な町。放課後の商店街を並んで歩く高校生カップルがいて、片方はまだ交換日記の書き出しに悩んでいる。始まりは、そのくらいどこにでもある光景だ。ところがある日、同じ町の冬の空に、背中から金属の翼を広げた女の子が浮かんでいる。しかもそれが、さっきまで隣で照れていたはずの彼女だった。この落差の一点から、『最終兵器彼女』は動き出す。 先に言っておくと、これは安心して泣ける恋愛漫画ではない。運ばれてくるのは、もっと居心地の悪い種類の痛みだ。会いたい、もう少しだけ近づきたい、それだけの高校生の恋が、戦争でゆっくり削られていく。奪われ方も派手ではない。当たり前だった帰り道や、待ち合…