【108話】 俺は、冬の息を白く吐きながら、リンちゃんの横を歩くタキタの姿を眺めた。 その背中には、ある種の躍動感があった。 リンちゃんの笑顔が、隣で煌めいている。 その光景に、どこか遠くを感じながらも、心の奥底では暖かい何かが湧き上がってくる。 残された俺とマドカちゃんは、二人の後ろを追う。 ふと、俺はマドカちゃんの方を見た。 彼女は、俺のことをどう思っているんだろう? その疑問が、俺の心をかき乱す。 彼女の顔をチラリと見ると、その頬は赤く染まっていた。 寒さのせいか、それとも露店の明かりが反射しているのか。 真相はわからない。 だけど、その赤らみが、俺の胸を高鳴らせた。 マドカちゃんも意識…