「運命」なんていえるのはどうでもいい相手だけ。 宝塚に対する観客の本音を投影したようなヒロインに対し、真っ直ぐ「運命」といえる唯一無二の主人公が雪組公演『愛の不時着』にあった。 無骨なのに口説き文句はスラスラ出てくるリ・ジョンヒョク、意地悪く軽口をたたいたかと思えば純粋な表現をみせるク・スンジュン。今や宝塚歌劇でもなかなか御目にかかれない、理想の男役が説得力のある人物像で表現されていた。 昔の韓流ブーム時は、日本人にとってノスタルジー的需要があったと思う。その要素は残しながらも、韓国にとってノスタルジー的な世界である北朝鮮。 普通に日常を過ごしている人々がいることさえ忘れかけていたが、どこか懐…