面白かった。 何よりこの歳になって、過去作品の読み返しではなく、新たな作家の新たな作品を楽しめる、ということが嬉しい。 本作については過去にも本欄で少し触れたことがあった。その時にも書いたが、CEOと一般従業員の経済格差が1000倍以上のGAFAM的巨大企業に、その是正をテロ行為をもって促す謎の団体。この団体に、父親を殺された(と疑われる)元警察官の主人公・石井大良が挑む。 物語の前半、大良が謎の団体に近づき、そこに入るまでの描写は、スリリングだ。カギとなる人物・小川との出会いの場面は、若干のコミカルさも加えて描かれる(3巻P19~40)。この前後(2巻P149~)では、物語の本筋ではないが、…