東京には老舗の名菓・名品かずかずあれど、気取りのない、ちょいとした手土産といった進物で、しかも東京ならではの特産となると、はて思案に余る。と、昨日のブログに書いたところ、友人からご助言。そりゃ海苔だろう。 あっ、そうか。とんだ迂闊だった。ご助言というより、ご叱正の一言と受取らざるをえなかった。 たしかに海苔は、古くから東京湾で採取・養殖されてきた、文字どおり江戸前の水産物だ。大森海岸から羽田へかけての海は、もともと江戸前漁業・水産業の本場だった。浅草海苔と称され、ブランド化しているが、この辺りが主要産地だったという。 明治時代後半から、埋立てが進み、工業地化していった。大森・蒲田一帯は町工場の…