先10月に唐招提寺を巡って来ましたが、鑑真和上が、なぜ危険な航海を何度も試み、日本に来ようとしたか、その経緯を知りたくて井上靖氏の『天平の甍(いらか)』を読んでみました。 井上靖氏は、『西域物語』、『楼蘭』、『敦煌』などの西域の作品を数多く書いております。 『天平の甍』は、遣唐使として大陸に渡り、高僧を招くという使命を受けた留学僧と鑑真との運命を描いた迫力と感動の物語でした。 『天平の甍』 その大体のあらすじはこうです。 朝廷で第9次遣唐使発遣が議せられたのは聖武天皇の天平4年(732年)です。 興福寺の僧栄叡と大安寺の僧普照の二人が思いがけず、留学僧のとして渡唐することになりました。 栄叡(…