唐招提寺 金堂 奈良西ノ京 6月6日は鑑真和上の命日です。 唐招提寺ではその前後3日間に和上の塑像(国宝)が公開されます。 この時期には多くの人が訪れますが、御影堂の中は静かな祈りに包まれます。 静かに目を閉じているお顔を拝すと、芭蕉の句が心に染み入ります。 「招提寺鑑真和尚来朝の時、船中七十餘度の難をしのぎたまひ、 御目のうち塩風吹入て、終に御目盲させ給ふ尊像を拜して」 若葉して御目の雫拭はばや 芭蕉 (わかばして おんめのしずく ぬぐはばや) 井上靖の小説「天平の甍」で心の残った場面を、ひさしぶりに読み返しました。 其の一 鑑真に日本への戒律を授ける僧の来日を要請する場面 「他にたれか行く…