この時季、ベランダに積もった雪の上に残る足跡を時折目にする。 三つの窪みが一セットになったもので、一見兎の足跡のようではあるが、もちろん兎が柱を伝って上ってくるはずはない。 その他に考えられる主としては、栗鼠と鳥があり、しかし栗鼠は冬眠するだろうからきっと鳥に違いない――と長らく思っていたのだけれど、今朝、この考えが誤りであることを知った。 カーテンを開けてしばらく後、屋内でちょっとしたことをしている際、目の端に何か動くものが入ったので、そちら、表のベランダへ目を向けると、栗鼠がちょこちょこと走っていた。 それはすぐに柱を伝って地面へ下りてしまったが、今まで正体のはっきりしなかった足跡が雪の上…