暮れ始めた空を背景にした煙突と宮造りの屋根は、両隣に迫るマンションに窮屈そうに追いやられているように見えた。 銭湯の煙突と屋根は、バス通りでもある正面の道路を渡った場所からでないと写真におさめることができない。 今回は国分寺の「桃の湯」さん。サウナの無い銭湯。そして国分寺市に残っている唯一の銭湯でもある。 正直、蒐集している「東京銭湯コレクションカード」が目当ての訪問ではある。在庫状況は事前情報で未確認ながらも、しっかりと箱に満タンに近い状態で売られていたそれを一枚確保。 今まで観測外であったサウナの無い銭湯へ初めて訪れたのは、春先の小金井市、「ぬくい湯」だった。これがなかなかに衝撃的で、そう…