武田五一(1872-1938)は広島県生まれの日本の建築家。東京帝国大学卒業後、同大学助教授などを経て、京都帝国大学建築学科を設立する。関西建築界の立役者の一人。現在まで続く雑誌『新建築』創刊にもかかわる。アールヌーボーなどの新しい建築を日本に紹介する一方、フランク・ロイド・ライトを日本に手引きするなどその活動も闊達であった。新しい建築だけでなく、古建築の修景にも深くかかわる。
▼明治時代は洋風建築よりも和風建築 明治時代の建築と言えば、世間的には洋風建築のイメージが強いと思います。教科書に載っている明治の建築作品といえば辰野金吾の「日本銀行本店本館」や「東京駅丸の内本屋」、片山東熊の「迎賓館赤坂離宮」ですし、文明開化のイメージが銀座の赤レンガ街ですから必然的にそうなるでしょう。 ところが、明治以降に飛躍的に発展したのが、むしろ伝統的な和風建築なのです。一説によれば、この時代に建設された建築の8~9割は和風なのだそうです。 明治時代、岩崎家や三井家などの財閥も、日常の生活は和風建築で行い、洋風建築は賓客を接待する場として使っていました。東京・湯島にある「旧岩崎家住宅」…
展覧会『分離派建築会100年展 建築は芸術か?』を鑑賞しての備忘録パナソニック汐留美術館にて、2020年10月10日~12月15日。 西洋の建築様式に代わる新しい建築を個人の「芸術意欲」に基づいて生み出そうとした「分離派建築会」を紹介する企画。西洋の建築様式を受容した後、日本独自の建築のあり方が模索された、分離派建築会誕生前夜を扱う「1. 迷える日本の建築様式」、分離派建築会を旗揚げした東京帝国大学建築学科出身者の卒業制作を展示する「2. 大正9年『我々は起つ』」、構造と形態の一体的な造形物を可能とした鉄筋コンクリート建築の可能性を彫刻に探った例を紹介する「3. 彫刻へ向かう『手』」、震災によ…
有鄰館は謎の博物館だった。 京都・岡崎の絶好の立地にあり、近くには平安神宮を初め、リニューアルオープンした京セラ京都市美術館や京都近代美術館、細見美術館など芸術好きが集まる場所にある。にもかかわらず、行きたくても開いていないことがほとんどだった。 岡崎で一番目立つ鳥居から東山駅へ向かう帰り道に必ず視覚に入る中華風の八角堂は有鄰館の象徴で、初めて見た時は中華料理店があるのだと勘違いしてしまった。しかし、その後も何度見ても開いていないので、謎だけが残って数年が経った。 そして、国宝に目覚めた時に、国宝を所有してたため、その謎の一部が解明された。有鄰館という名前で我が国最古の私立美術館である。第一、…
桜と言えば花を楽しむ樹ですが、実は紅葉も美しいことを知っていますか?「桜紅葉(さくらもみじ)」という言葉もあるとおり、桜は古くから紅葉も観賞されてきました。モミジより半月ほど早く紅葉の見頃を迎えます。桜の紅葉は色づき具合が年によって差が大きいですが、桜紅葉が美しい年は、紅葉も美しく染まります。2020年の桜紅葉はいい感じなので、モミジの紅葉も期待できそうです!
2021年夏休みやお盆休みに行きたい愛媛県観光10スポット! こんにちは。まゆりんです。 せっかくの夏休みやお盆休み、家族揃ってお出かけしたいけど、子供連れだと周りに気を使ってしまうことも多くありませんか? 家族でドライブやレジャーを楽しめて、気兼ねなく過ごせる場所が良いと思ってはいても大人の好みの観光地に対して、子どもが不満を持ったり、子どもの行きたがる場所では大人は子守りに徹することになったりと家族全員が満足できる場所って、なかなか少ないものです。 // ①愛媛県松山市にある港湾、松山観光港! 四国(しこく)は、日本列島を構成する島の一つで北海道や本州や九州とともに主要4島の一つです。 四…
ちょいと風邪ひき気味です。 この時期は気温差にヤレれますね、いかんな。 旧唐津銀行本店(辰野金吾記念館)へ行ってきました。 旧唐津銀行本店とは 辰野金吾とは 最後に 旧唐津銀行本店(辰野金吾記念館)へ行ってきました。 先日、佐賀県唐津市にある、旧唐津銀行本店へ行ってきました。 所在地:佐賀県唐津市本町1513-15 電話:0955-70-1717 用途:1F...多目的ホール金庫室営業室 2F...展示室 営業時間:午前9時~午後6時 休館日:12/29~12/31 管理:唐津市 建築構造:煉瓦造り 施設・展示施設観覧料:無料(特別展示は別途観覧料が必要な時もあるようです。) アクセス: 大手…
カメラマンである友人の ナリタナオシゲさんの写真展に行ってきました⠀⠀"Kao展2020/THE PERCEPTION"⠀ ⠀Perception......知覚⠀⠀毎年開催されていますが⠀なかなか行けず⠀今回ようやく行けました⠀⠀私は写真を撮るのが大好きですので⠀かなりの刺激を受けて帰って来ました♡⠀⠀ 京都三条の1928ビル2階"同時代ギャラリー"にて⠀ 開催は本日までですので⠀ご興味ある方はぜひ♡⠀ レトロビル〜♫ アールデコ風の建物が素敵☆ 昭和三年(1928年) 武田五一氏の設計により 大阪毎日新聞社京都支局ビルとして建築されたそうです 現在は 京都市登録有形文化財に登録されています…
“京都のレトロ建物”というと日本の伝統的な家である「京町家」のイメージが強いですが、京都府域には数々の近代建築が当時の美しい姿を保ったまま、たくさん残っています。洋館や銭湯、教会、喫茶店など、京都に残るさまざまな美しいレトロ建築を、麗しい写真とともにぜひご覧ください。 ※過去記事リンク先の開館・営業・料金などの情報は掲載時のものとなっています。最新情報はそれぞれ各店舗や施設などにお問い合わせください。 【洋館】 与謝野町のモダンなレトロ建築群 旧尾藤家住宅/旧伊藤医院診療所旧加悦鉄道加悦駅舎(加悦鉄道資料館)/花皆憧喫茶室(旧加悦町役場庁内) (左上)旧尾藤家住宅、(右上)旧伊藤医院診療所 、…
お盆なので、京都人と京都に行ってきた。とはいえこのご時世なので、いい年である京都父母とはご飯しただけで実家には泊まっていない。京都人には悪いけど、ホテル宿泊のほうが楽だよねぇ… というわけで結構な時間観光できたよ。二条城とか行ったけど写真禁止だった。厚さ35cmもあるという欄間が見事であった。そして京都の三条通りには近代建築が多いというので見てきたよ。 大体外から見ただけだからさくっとね。 辰野金吾「京都文化博物館(旧日本銀行京都支店)」 さすがの辰野金吾。東京駅にテイストが似ている。 菜かも見れたけど、この奥はなんかイベントやってて見れなかった。残念。広くて美しい。 辰野金吾「日本生命京都支…
この記事を書いているころ、全国的な梅雨明けがいよいよ、という話になってきた。 暑さは得意ではないけれど、暑くない夏というのもさみしいもの。 ましてや、晴れ間がないと憂鬱になってしまう。 ただでさえ、巷じゃ感染者が増えてきて、もはやどうしたものか、という状況なので・・・ さて、そんな中、7月は意外と読書に関しては苦戦の一ヶ月だった。 というより、読書以外のこととの兼ね合い・折り合わせが悪く、気持ちが分散してしまって集中できなかった、というのが大きい。 それでも、1日1冊ペースが崩れなかったのは、自分の中では僥倖。 8月以降はもう少し諸々のペースがあがってくるといいなあ。 積み本、そろそろ本格的に…
京都にあるレストラン「フォーチュンガーデン京都」の夏祭りに参加してきました! 開催日時は2020年7月24日11:00~15:00。 1日だけの夏祭りに参加した感想を書いていきます♪ フォーチュンガーデン京都とは? レストラン 結婚式場 フォーチュンガーデン京都の夏祭り 出店企業は? 新型コロナ対策 食べたもの 万願寺唐辛子入りボローニャ風ミートソース フォアグラ寿司 プチバーガー3点セット 京もち豚の旨辛焼きそば 飲んだもの たけのその 重見天日(ちょうけんてんじつ) とってもお洒落な夏祭り! 大満足の夏祭り! フォーチュンガーデン京都とは? 京都市役所のすぐ近くにあるレストラン兼結婚式場で…
妻木、国会議事堂建築を目指す。 小林が推測する、妻木の目標。 『剛心』は妻木とその仲間たちによる群像劇の様相を一層強めてきた。 今回スポットライトがあたった武田も、必要な人材の一人となるのだろうか。 武田五一。 人付き合いが苦手そう、仕事に対する情熱は人一倍。 そんな彼が妻木に見いだされ、勧業銀行の廊下(窓口)設計に任命されるのが、今回のお話。 「武田くんがうまくやってくれますから」みたいな流れを作られ、意図を汲みつつも不安と恐怖で胸がいっぱいになる武田。 「僕の設計案が本当に通るんだろうか」 先方の顔色を思い出しながら、その一方で自分の力を発揮したいという思いが高まり、悶々とする日々。 (そ…
武田五一明治大正期の建築家。関西建築家の父とも言われる。東京帝国大学工科大学造家学科卒。アール・ヌーボーや分離派を日本に紹介。現京都工芸繊維大学の図案科(明治36年)や現京都大学の工学部建築学科(大正9年)を創立。国会議事堂建設や法隆寺、平等院などの古建築修復にも関わる。 吉武東里大正期の建築家。武田五一門下。国会議事堂設計の中心メンバーで、雑誌『新建築』創刊号表紙も手がけた。息子の吉武 泰水(東大)は、日本における建築計画学の創始者で、集合住宅のプロトタイプである「51C型」や、建築での規模計画に用いられる統計手法「あふれ率法(α法)」などで知られる。 本野精吾大正昭和初期の建築家。日本にお…
インフラの場合,設計耐用期間は100年に及ぶ場合があります。当然,その間には社会情勢の変化,国民の生活スタイル,要求性能などが大きく変化していきます。では,100年前の建造物(コンクリート構造物)がどれくらいあるのでしょうか。 100年前と言えば,明治から大正に年号がかわり,日露戦争も終結し,世界の列強の一員となろうとして国を挙げて富国強兵に邁進していた時代から,大正モダンのような個人主義への時代へと移ろうとしていた時期です。国内だけ見れば一見比較的平和な時代でした。一方,世界に目を向けてみると,ヨーロッパを中心に第一次世界大戦が終結し,その世界大戦の最中の1917年にはロシアで二月革命が勃発…
// 鵜飼で有名な長良川 新幹線に乗る前に大きめの書店、なかでも国内旅行本がずらりと並ぶ一角へと足を向けた。 探しているのは美濃国—―すなわち、岐阜県南部のガイドブック。しかし、目を皿のようにして棚を眺めど、あるのは「飛騨・高山」と「白川郷」をタイトルに冠したものばかり。まれに岐阜全体を特集したものもあったが、パラパラとめくってみると、岐阜駅周辺やそれ以南の情報は見開き2ページ程度にしか載っていない。 周囲の人に尋ねてみても、逆に「あの辺りって何か面白いものあるの?」という問いが返ってくる始末。もしかしたら今回の散策は徒労に終わるかもしれない…… と暫く頭を抱えた。こうして旅行を終えた今では、…