光文社文庫 1987年 ぼくは、よく来世はあるのか、と自分に問うてみたり する。もちろん、愚考するだけ、妄想するだけで、答え なぞ出て来るわけがないわけだが、昔の仏教の偉いひと は、輪廻と云う考え方を持ち、生命は巡ってゆく、と 考えたそうだ。今生での行いが、次の人生で反映され、 人々は、次の人生のために、良い行いを心がけると も云う。ぼくは、こうも考える。人のために生きよう、と。 人の幸せのために身を捧げ、苦しみを引き受けよ、と、 偉い人は云ったと云うから、そのように生きてみよう、 と。死に際の美は、重要だ。その人の人生を物語る だろう。痛い痛い、と云ってのたうち回って死んだの では浮かばれな…