---------------------------- 『警世通言(意訳:いましめものがたり)』は、明末の冯夢龍(ふう・ぼうりゅう)が編纂した白話体の短編小説集である。天啓四年(1624年)に完成し、宋・元・明の時期に書かれた話本や擬話本あわせて四十篇を収録している。一般に、これらの作品は編者による大小さまざまな加工や整理を経て成立していると考えられている。題材は現実の生活をもとにしたものもあれば、先人の筆記小説をもとにしたものもある。総じて言えば、『警世通言』の題材は主に以下の三分野に及ぶ。第一に、婚姻や恋愛と女性の運命。第二に、功名や利禄と人間社会の栄枯盛衰。第三に、奇事や冤案、怪異の世…