私は私について書くことはとても難しいと感じる。けれど書かなくてはいけないことも、またわかっている。そうしなければ、私は愚にもつかない、意味のない文章を再び書き連ねるだろう。ちゃんと嘘をつくことなく、自分のことを書かなくてはいけない。私はどちらかというと愛されて生まれた。子どもに頓着しない父と優しい母の間に生まれた。けれど祖父母は母をないがしろにし、疎んじた。私は賢かった。だから繋ぎ留めたかった。憎悪より最低限の愛情で家族全員が繋がることができればいいと、幼いながら思っていた。私は愛されていた。だからその愛に対しどう振る舞えばいいかわからなかった。信じること以外できることはなかった。母は深く傷つ…