『嫉妬論』民主主義に渦巻く情念を解剖する山本圭光文社新書2024年2月29日 初版 1刷発行 日経新聞、2024年3月9日の朝刊、書評で紹介されていた本。 記事では、 ”大リーガーの大活躍は素直に喜べるのに、同僚のささやかな出世を妬むのはなぜだろう。「比較があるところに嫉妬がある」からだ。本書は政治思想を参照し、嫉妬感情を解剖する。民主主義は平等に価値を置く。だが平等の要求には、出る杭を打ちたいという負の感情も潜む。嫉妬は「民主主義の宿痾(しゅくあ)」だと著者は指摘するが、行き過ぎると分断を招き、民主主義を壊す。うまく飼いならすため、この情念と向き合うしかない。(光文社新書・946円)” と、…