挿話の余話。 話を先取りしますが、先生の遺稿の中に、田辺元先生とのやり取りやソ連(ロシア)が交渉もできない相手であるなど短いエピソードがあったのですが、私は割愛しました。 そのことを今深く反省しています。 田辺先生については、先生とのやり取りの手紙もたくさんあったのに、田辺元全集の編集者から何の連絡もないままだと聞いていました。そして先生はご自分の全集を出すことを強く願っておられました。蔵書全部を寄付するから、全集を出してくれる大学はないだろうかと言ってもおられました。 私の口語訳とは別にやがて先生が望んでいたような形の本が『アリストテレスの倫理思想』として岩波書店から出たので、私自身の言葉で…