🪷【源氏物語450 第14帖 澪標24】源氏は、明石に誠実な手紙を送る。入道は感激して泣いていた。乳母の君も 優しい気質の明石の君によき友人のように感じる。 〜海松や 時ぞともなき かげにゐて 何のあやめも いかにわくらん からだから魂が抜けてしまうほど恋しく思います。 私はこの苦しみに堪えられないと思う。 ぜひ京へ出て来ることにしてください。 こちらであなたに不愉快な思いをさせることは断じてない。 という手紙であった。 入道は例のように感激して泣いていた。 源氏の出立の日の泣き顔とは違った泣き顔である。 明石でも式の用意は派手にしてあった。 見て報告をする使いが来なかったなら、 それがどんな…